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軍用ドローンはどう使われるべきなのか?

戦場においてドローンという兵器は既に多いに活躍している。
その使い方といえば主に
①テロリストの暗殺
②テロリストの指導者等要人の暗殺
③戦略施設の破壊
④偵察
が挙げられると思う。

このような使われ方をする背景には、ドローンを巡航ミサイルの延長線上として、「分散」的に使っていることが背景にあるのでは?と感じている。
ドローンがよく使用されるようになったのは、2000年代からの対テロ戦争からであることを考えると順当であろう。

しかし私はこのような使われ方には問題と改善点があると感じている。
まず1つは、それらドローンの使われ方が専ら「戦略的」な使われ方に重きを置いているということだ。
戦略的に使われるのはいいことだ。しかし、「戦術的」にはどうなのか?

「戦略的」「戦術的」とはなんなのか?
「戦略的」というのは、「マクロ観点から戦場を見て、後方司令部が目標選定と運用を決める」運用の仕方だと考えている。
過去にはこのようなニュースがあった

中国は軍用ドローンの集中運用でアメリカ空母を沈める

ロシアが一機のドローンでウクライナの火薬庫を爆破

前者の場合、後方司令部が戦略的に危険だと考えた兵器・施設を攻撃することを考えている。
後者の場合、後方司令部がウクライナ内部をかく乱するために、火薬庫を破壊している。

ここで分かるのは、ドローンを使う際は「前線の事柄」ではなく「戦争全体の事柄」を考慮して使われており、「前線司令部」ではなく「中央」によって攻撃がなされるという事である。

「戦術的」な使い方というのは、「ミクロ的な観点で戦場を見て、前線司令部が目標選定と運用を決める」という運用方式だ。

理解しやすくするために想起してほしいのは「大砲」だ。
大砲にも様々な種類があるが、それらを3つの運用方式で分けてみる。
1つ目は「迫撃砲」のような、「前線の部隊の判断によって、戦術的目的の為に使用される大砲」
もう1つは「カノン砲」のような、「後方司令部の判断によって、戦略的目的の為に使用される大砲」
そして最後は「りゅう弾砲」のような、どっちつかずで柔軟な運用ができる大砲。
これら大砲の運用方式を、ドローンの運用方式に当てはめてもらうと、分かりやすくなると思う。

ドローンを「前線の判断によって、戦術的目的の為に使用するもの」
     「後方の判断によって、戦略的目的の為に使用するもの」
     「どっちつかずで、柔軟に使用できるもの」
これら3種類に分けて運用すべきだと考えている。

そして改善点(もしくはこれからの運用においての重要点)として考えているのは、
ドローンにおいても「集中と分散」を基にした運用がなされるべきという点である。

「分散」的な運用方式というものは、前の記事に挙げたようなスパイ的な隠密作戦の場合である。
誰かを暗殺する時、どこかの地域を偵察する時、重要な戦略拠点を破壊する際に何も大群で向かうことはできない。
「分散」を基にした隠密的な運用が必要である。

「集中」的な運用、これこそがドローンの価値をより高めるのではないかと考えている。
前の記事(「中国は軍用ドローンの集中運用でアメリカ空母を沈める」)のように、ドローンがお互いに連携して集中的に運用されることで、空母すら沈めらると書いてあることだその証拠だろう。
何も空母だけじゃない。機甲部隊であれ、歩兵部隊が敵であれドローンを集中運用することによって、大きな火力を生み出せるのではと期待している。

さらに言いたいのは「集中」的運用は、前の章で述べた3種類のドローンの枠を超えて「集中」されるべきという点である。
第一次世界大戦の際、ダイヤモンドのように固い塹壕を突破する際に用いられたのは「縦深砲撃」である。
この戦術は、「戦術的砲撃」と「戦略的砲撃」を組み合わせなければ、実現できなかった。
軍用ドローンの運用の際にも同じことが言えると思う。
間違えてはいけないのは、運用方式を分けるからといって、お互いの連携まで分けてしまってはいけない事である。
このことに注意して運用されれば、軍用ドローンは将来空母を沈めることも簡単にできるであろう。

最後に
この文を書いてるとき、読むときに自分自身の無知さを思い知らされる。
間違いはきっとあるはずなので、ぜひ教えてほしい。